技術情報

染料浸透引張試験(Dye and Pry Test)のご紹介
★ただいま特許出願中!

BGA Ball Grid Arrays    断面接合形状 可視化

目的

染料浸透引張試験(Dye and Pry Test)は、プリント基板に実装されているBGA(Ball Grid Arrays)の接続状態を可視化します。
素子全面の状態を比較的簡素な機材で確認することができる不具合解析手法のひとつです。

※染料浸透引張試験は、製品破壊試験です。

断面イメージ図

プリント基板 断面イメージ

評価手法

BGAが搭載されているプリント基板を洗浄し染料に漬けた状態で減圧します。
半田未着やクラック部分など細部まで染料(Dye)が入り込み、引き剥がす(Pry)ことで、半田未着部分に残る染色状態を確認します。

メリット

上面からのⅩ線や、外観上からは診ることがことができない半田の接合状態を確認することができます。
また、全ボールの状態を一度に観察可能なので効率的な確認が可能になります。

染料浸透引張試験プロセス

(1)染料浸透
Step.1
実装時のフラックス除去および表面洗浄
フラックス除去液
【 フラックス除去液 】
界面活性剤
【 界面活性剤 】
Step.2
染料液を細部に浸透
染料液
【 染料液 】
減圧チャンバー
【 減圧チャンバー 】
Step.3
水分を除去
乾燥炉
【 乾燥炉 】

(2)剝離
Step.4
専用治具でプリント基板とBGAを剥離
基板とBGAを剥離 剥離後 プリント基板側
【 プリント基板側 】
剥離後 BGA側【 BGA側 】
素子サイズ:13㎜×13㎜
ボール総数:367pcs
ボールピッチ:最小0.5㎜
(3)染料浸透確認
プリント基板側 BGA側 観測された染料表示
半田未接続部
半田未接続部 プリント基板側 半田未接続部 BGA側 半田未接続やクラック等の接点(空隙部)には、染料が浸み込んでいる。
良品
良品 プリント基板側 良品 BGA側 正常なBGA接続部は、BGA部分またはプリント基板のパッド部分で剥離する。